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ありがとう




昨年末に天国へ旅立っていった友人Sちゃん


3月中旬、仲良しだった友人そして、Sちゃんのご主人を交えての「しのぶ会」
友人宅、持ち寄りで。

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天然酵母カンパーニュを使った、ディプロマット。

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天然酵母グリッシーニには生ハムを巻いて。

ビーフシチューは、Sちゃんの子供達2人へ夕食用のお土産に。











Sちゃんは長男幼稚園時代のママ友。
いつも明るく、やさしく、元気なSちゃん。
私よりも年下だけれど、色々なことに気がつく女性。
次男出産の時も、長男の幼稚園送迎を手伝ってくれました。
それも、もさりげなく、さらっと・・・
相手に気を遣わせない、大人なやさしさ。
私もこんな風にさりげなく人のお手伝いがしたいな~と思っていました。

そんなSちゃんから、力なく小さな声で電話がかかってきたのが、卒園後の7月。
「乳がん」の告白でした。
何て言ってあげたらいいのかわからず、・・・あの時の電話の応対・・・覚えていません。

何事にもポジティブなSちゃんは、手術、再発、転移にも果敢に挑戦していました。

私が全粒粉100%のパンを作り始めたきっかけもSちゃん。
これがなければみずきさんへの特急便もなかったでしょう。

体調がいい時は、仲良しの仲間と一緒にランチをしたり、オペラも一緒に聴きに行きました。
いつでも元気、辛い治療は口に出さず、私達と会うときは明るいSちゃんでした。

昨年の初夏、深夜にメールのやりとりをしていて急遽、翌日Sちゃん宅へ遊びに行くことに。
何か食べたいものある?と聞くと、
「まきさんのパンが食べたい。」と・・・
嬉しくなって夜中に仕込み、早朝焼き上げ。
すごく喜んでくれて、パンを食べながら話も弾む。
いつも気を遣っているSちゃんの「深夜のリクエスト」
今考えると、Sちゃんのあんな「嬉しいわがまま」は最初で最後だったかも。

夏休みが過ぎて、秋になり、さらっとしたメールを交わしたものの、
それから連絡をとることがなく過ぎていった初冬。
久しぶりに送ったメールの返信に不自然さを感じて、しつこくしつこくメールをすると、
「実は、今入院中なの」との返事。しかも「緩和ケア病棟」
驚きとショックで携帯を持つ手が震えた。
「具合がよくなったら連絡するから、病室に遊びに来てね。」との結びの言葉に従いつつも
不安でもやもやした気持ちがおさまらない。
ある休日の夕方、いてもたってもいられなくなり、主人に高速をとばしてもらい、お見舞いへ。

追い返されてもいい、とにかく会いたい・・・そう思って病室を訪ねると、
「わぁ~来てくれたの~」と、体はとっても辛いはずなのに、
いつもと変わらない優しいSちゃんの声。
会えて嬉しかった。
前から約束していた、ハンドマッサージをしながらおしゃべり。
「Y君達は?ご主人は?」と気にしてくれる、そんなところ、いつもと変わらない。

帰り際、Sちゃんのご主人から「余命宣告」の事を伺う。
涙が止まらない。奇跡がおきてほしい・・・そう思うだけ。
その後、ご主人からのメール。
「Sが、来てくれて嬉しかったと泣いています。」
行ってよかった、よかったんだよね?

Sちゃんは、現状を誰にも知らせていなかったので、
ご主人の了解を得て、友人達へ連絡。
みんなそれぞれの思いでお見舞いへ。
毎日のように、仲間でメールをして、お互いを支えあい、祈る。

初めてお見舞いに伺ってから約2週間後、
私の「今日もお見舞いに伺っていいですか?」の問いに、ご主人からのメール。
「今日明日が峠です。家族で過ごしたいと思います。」と。

その2日後、浅い眠りから起きた朝、携帯が鳴り、画面にSちゃんのご主人の名前が光る。
待っていなかった電話。
電話後は、泣く間もなく友人達への連絡等々、事務的な作業が続く。

そしてお通夜・葬儀ともに友人達とお手伝い。
こんな時は何か仕事がある方が、気が紛れていい。

後日、ご主人から1通のお手紙をいただく。
亡くなる1週間前に、Sちゃんが私宛に書いてくれたメッセージ。
Sちゃんは、もう自分が長くないと悟った日から、
みんなに内緒(ご主人にも)で、看護婦さんに筆記用具を用意してもらい、近しい人々に
お手紙を書いていたそう。
ほとんど目も見えず、手も動かなくなったあの状態で、どうやって書いたのだろう。
考えるだけでもこみ上げるものがある。
封筒の中には、自由が効かない手で一生懸命書いてくれた温かいメッセージが書かれていた。

葬儀であんなに泣いたのに、再び号泣。

死の恐怖と戦っている時に、こんなにも優しい言葉を人にかけられるだろうか?
普通なら自分の事だけで、精一杯なはず
改めてSちゃんの人間の大きさに心打たれる。
あなたには、かなわない・・・


Sちゃんの好きだったものを持ち寄り、好きだった曲をかけ、
友人宅で「しのぶ会」。

楽しくそして時には涙も流した「しのぶ会」、きっとSちゃんもあの場にいたよね♪

日常生活の中での些細な悩み、怒り。
本当に小さな事なのに、その時の自分には大きな問題で、
子供を叱ったり、主人と口論したり・・・
そんな時、母の仏壇の横に飾ってあるSちゃんの手紙に目が行く。
「あ~私は人間がちっちゃいな~」と気づく。
そんなことがもう何度も
「ありがとう。手紙の通り、見守っていてくれるのね。」

ありがとう。
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by happyseeds-m | 2010-04-01 02:09 | 私のこと
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